
古銭といっても、時代劇で目にするようなものから、記念品まで数多くの種類があり、高い価値のあるものから額面程度の価値しかないものまで様々にあります。
古銭の買い取り先は、個人経営の小規模な店舗から全国展開している買取ショップなどですが、業者によっても買取価格や買取の方法が変わります。
「いつか価値が出るかもしれない」と古銭を長年大事に保管している方や、「いくらの価値が付くのか知りたいけれど査定が面倒…」と躊躇している方のために、古銭買取のおすすめ業者と相場情報をまとめました。
古銭買取を行なっている主流の業者一覧です。業者ごとに、店頭買取・出張買取・宅配買取といった方法が異なり、使い勝手が異なります。
買取業者 | 特徴 | 買取方法 |
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福ちゃん | 店頭・出張・宅配 | 買取実績が豊富で、専門知識や鑑定力の高さも保証されている。 古銭だけでなく着物や骨董品などにも対応しており、古いものを一気に売りたいときに便利。 |
バイセル | 店頭・出張・宅配 | スピード査定で有名。フリーダイヤルで受付は24時間対応。 他店では値がつかないものでも積極的に査定している。 |
うるココ(旧ウルトラバイヤー) | 店頭・出張・宅配 | 業界ではトップクラスに買取対象の品物が多く、古銭以外にも査定してもらいたい品物があるときに便利。 他店の買取査定額が高いときに買取額を調整してくれる。 |
おたからや | 店頭・出張・宅配 | メディア露出も多い有名店。全国各地に出店しており、気軽に立ち寄れる点もメリット。 出張買取には抵抗感があるという人には便利。 |
日晃堂 | 店頭・出張・宅配 | 幅広い種類の骨董品の査定をしていることから、専門的な知識と経験を持っているため、高価買取が可能。 出張料や査定料といった手数料も無料になっている。 |
有馬堂 | 店頭・出張・宅配 | 古札や古銭以外にもアンティーク品などの買取もしており、高価買取してもらえる。 買取価格が古銭の種類などによって公式サイトに掲載されているため、どれくらいの買取額になるのかが把握しやすい。 |
大黒屋 | 店頭(古銭買取対象店舗のみ)・出張・宅配 | 全国230店舗以上で店頭買取、出張買取や宅配買取以外にも、LINEやメールでの査定も可能。 買取可能な古銭の種類も豊富なため、買取をして欲しい古銭の買取をしてもらえる可能性が高い。 |
さすがや | 店頭・出張・宅配 | 日本だけではなく、世界中にパイプを持っているため、日本ではあまり人気がない古銭も高価買取をしてもらいやすい。 スマホデコ線を撮影して送るだけで、最短20分ほどで査定をしてもらうことも可能。 |
福ちゃんには、古銭に詳しい鑑定士が大勢在籍しており、査定してもらった古銭を1枚ずつ査定額を教えてくれるため、信頼感が高いです。
古銭の買取は汚れなどがひどい状態の際には買い取ってもらえない場合がありますが、福ちゃんでは状態に関係なく買取してくれるメリットがあります。
福ちゃんは女性の方でも利用しやすいお店として、女性スタッフも在籍しています。買取実績は800万点以上で、幅広い種類の古銭に対応しています。
買取対応エリア | 全国 大阪に4店舗あり。一部店舗は予約制 |
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査定料金 | 無料 |
入金までの期間 | 査定後、最短即日 |
査定方法 | 持ち込み査定、Web査定、出張査定 |
相談受付時間 | 9:00~20:00 年末年始を除き年中無休 |
公式サイト | https://www.fuku-chan.info/ |
古銭買取をしている会社の中でトップクラスの規模で展開されているのがバイセルです。
在籍している査定士は経験と知識が豊富で、1枚ずつ丁寧に古銭の査定をしてくれるのが特徴的です。
全国に店舗展開をしており、査定料などは一切かかりません。
バイセルは店頭買取だけではなく、出張買取や宅配買取にも対応しており、近くに店舗がない場合は出張買取などの依頼をして査定をしてもらうことも可能です。
公式サイトには古銭の種類別で買取一覧表が公開されていますので、大体の買取金額を知ることができます。
また、バイセルの特徴として、クーリングオフ制度が採用されており、買取をしてもらってから8日以内であれば電話でキャンセルを依頼するだけで返品をしてもらうことも可能になっています。
買取対応エリア | 全国 東京、宮城、千葉、埼玉、大阪、愛知など全国に買取店舗あり |
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査定料金 | 無料 |
入金までの期間 | 査定後、最短即日 |
査定方法 | 持ち込み査定、メール相談、出張査定 |
受付時間 | 10:00~20:00 ※メール・チャット・電話相談は24時間365日可能 |
公式サイト | https://buysell-kaitori.com/ |
ウルトラバイヤーは、古銭を専門にした査定士が在籍しており、他の買取業者の場合、そこまで古銭について詳しくない査定士が査定をすることもあるため、相場よりも安い金額を提示されてしまうこともありますが、うるココではそれがありません。
また、査定方法が多く自分に適した方法で査定をしてもらえるため、より正確な査定が期待できます。
さらに、保存状態が悪い古銭でも買取されやすいという点も魅力的です。
買取対応エリア | 全国 奈良、大阪、富山に店舗あり |
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査定料金 | 無料 |
入金までの期間 | 査定後、最短即日 |
査定方法 | 持ち込み査定、LINE査定、ビデオ査定、Web査定、出張査定 |
受付時間 | 10:00~18:00 ※店舗の営業時間は異なる |
公式サイト | https://ultra-b.jp/ |
おたからやは全国1,300店舗以上展開されている業界トップクラスの買取業者です。
店舗数が多く、店頭への持ち込みや出張査定もスムーズに行ってもらうことができる点がメリットの一つになっています。
買取の査定員は毎週研修に参加をしているので、知識がとても豊富で、適正な査定をしてもらえます。
古銭以外の買取も行っているため、出張買取で古銭以外の不用品をまとめてを査定してもらうことが可能です。
出張買取時の車には社名を入れていないなど、プライバシーにも配慮されています。
買取対応エリア | 全国 全国1,000店舗以上 |
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査定料金 | 無料 |
入金までの期間 | 最短30分 |
査定方法 | 持ち込み査定、メール査定、出張査定 |
受付時間 | 10:00~19:00 ※コールセンターは年中無休 |
公式サイト | https://www.otakaraya.jp/ |
日晃堂では、多くのアンティーク品や骨董品の買取をしているのですが、古銭の高価買取も取り扱っています。
古銭や骨董品の買取実績が豊富にあり、色々な種類の古銭を持っている方や、より高値で取引したい方におすすめです。
買取対応エリア | 全国 神奈川、大阪に店舗あり。完全予約制 |
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査定料金 | 無料 |
入金までの期間 | 1日~5日営業日程度 |
査定方法 | 持ち込み査定、メール簡易査定、LINE査定、出張査定 |
受付時間 | 10:00~19:00 ※年末年始以外は年中無休 |
公式サイト | https://nikkoudou-kottou.com/ |
有馬堂では、古銭、古札、古いお金、古い貨幣、プレミア紙幣、金貨、銀貨、メダル、海外紙幣など幅広い種類の古銭買取を行なっています。
また公式サイトには古銭の買取価格の事例が掲載されているため、およその金額をチェックすることも可能です。
神戸に有馬堂の事務所があり、事前予約をしなくては査定士が出張鑑定で不在のため、その日に査定をしてもらえないこともあります。神戸近郊にお住まいの方は予約を入れることを忘れないようにしましょう。
買取対応エリア | 全国 |
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査定料金 | 無料 |
入金までの期間 | 査定後、最短即日 |
査定方法 | 持ち込み査定、Web査定、出張査定 |
受付時間 | 10:00~19:00 ※持ち込み査定の際も電話必要 |
公式サイト | https://www.arimado.com/ |
大黒屋は全国に200店舗以上展開している買取業者の中でもトップクラスの規模で、店頭に持ち込みやすくなっています。年間に150万点以上の買取実績があり、信用できる買取業者に依頼をしたいと考えている方におすすめです。
大黒屋には古銭の知識が豊富な査定士も在籍しており、希少価値がある古銭は正当な評価をしてくれます。
また、事前査定の種類も豊富で、LINEで写真を送って簡単な査定をしてもらえる方法や、電話やメールである程度の査定額を算出してもらうことも可能です。
ただし、店頭買取の場合は古銭買取対象店舗でなくては受付してくれないこと、査定は即日ではなく2~3日程度かかりますので、査定後にもう一度来店をする必要があるということは覚えておいてください。
買取対応エリア | 全国 全国に250店舗以上あり |
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査定料金 | 無料 |
入金までの期間 | 査定後、最短即日 ※査定に2~3日必要 |
査定方法 | 持ち込み査定、LINE査定、メール相談、出張査定 |
受付時間 | 10:00~18:00 |
公式サイト | https://www.e-daikoku.com/ |
さすがやは、古銭以外にもブランド品や宝石などの買取もしている大手買取業者です。
日本だけではなく、海外にも顧客を抱えているため、他の買取業者が買取をしてくれなかった古銭や記念通貨などを買い取りしてくれることも多いですし、買取額が予想をしていた以上に高額になることもあります。
口コミでも高い評価を得ているため、信頼できる買取業者を探している方や、高額になりやすい買取業者に査定をしてほしい方におすすめの買取業者です。
またLINEやサイト上である程度の査定をしてもらうこともでき、店頭や宅配買取をしてもらう前に、ある程度の金額を知ることが可能です。なお、サイトやLINEでの査定はスマホで写真を撮り送付すると、最短20分位で査定してくれるシステムがあります。
古銭や記念通貨以外にも、外国の古いコインや銀貨、記念メダル、古紙幣など、幅広い種類の査定を行っていますので、他の業者では買取を断られてしまった方にもおすすめの買取業者です。
買取対応エリア | 全国 全国に60店舗以上あり |
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査定料金 | 無料 |
入金までの期間 | 査定後、最短即日 |
査定方法 | 持ち込み査定、LINE査定、Web査定、出張査定 |
受付時間 | 10:00~19:00 ※土日定休 |
公式サイト | https://sasugaya.jp/ |
古銭は価値があるかどうか見極められるかが大切なので、古銭の買取実績が豊富なところや専門業者に依頼するようにしましょう。
手持ちの古銭の価値がわからない業者に頼むと、本来の価値より低い価格で査定されることもあります。
店によっては古銭の買取を行っていないところもあるため、買取対象に古銭が入っているか事前に確認しておくことも大切です。
また、買取方法は店頭・出張・宅配とさまざまあるので利用したい方法を提供する業者を選びましょう。
古銭の買取方法には主に3つあり、それぞれの業者で買取可能な方法が異なります。
3つの中でも、古銭の買取で一般的な方法は店頭買取です。実際に古銭を持って店舗に足を運び、店で査定してもらいます。
業者によっては来店前に予約が必要なこともあるため、可能な限りWebやメールで相談をしてからの来店がベストです。
出張買取は、家にいながら査定をしたい方におすすめです。出張買取は査定士・鑑定士が自宅まで訪問し、家で査定から契約まで行います。基本的には出張料は無料で、その場で査定から支払いをしてくれるため、一日で取引を終了できるのも嬉しいポイントです。
宅配買取は、古銭を保管しているけれど店頭まで持ち込む時間がない、自宅に鑑定士を呼ばずに査定してもらいたい方におすすめの方法です。
業者から送られてきた梱包セットを利用し送るという手間はかかりますが、査定から支払いまですべて自宅にいながら完結できます。
その場で査定している時間を待つ必要もないので、忙しい方でも気軽に利用できます。
古銭とは、大きな定義では「現在流通している通貨よりも世代が前の硬貨・紙幣」のことです。近年の事例でいうと、「夏目漱石の千円札」も「聖徳太子の一万円札」も古銭となります。
古銭といっても貨幣ですので、基本的には額面に書かれた金額しか価値はありませんが、骨董品としての価値のあるものも数多くあります。
古銭にはたくさんの種類が存在しますが、買取可能とされている古銭の主な種類は以下です。
この中でも、買取に出されることが多い古銭は次の3種類です。
日本古銭の代表的なものが「一圓銀貨・50銭銀貨・一分銀」などです。
こういった古銭は熱心なコレクターがいるため、状態によっては高額で買取に出すことができます。
古銭ショップでの主力商品で、通常は「古銭」というと、一圓銀貨といった日本の古い硬貨です。
明治時代には日本でも金貨が発行されたことがあります。珍しい古銭として古銭市場では高額で取引されています。
たとえば、明治6年の旧5円金貨の状態の良いものは15万円から20万円程度の価格が付きます。
日本ではなく外国で発行された硬貨にも価値がつくことがあります。特に金貨は人気が高く、買取市場でも高額の査定額が付きます。
どの金貨でも良いというわけではなく、人気・不人気の差があり、価値の分からない人にとってはどの程度の金額になるのか判別するのは困難です。
たとえば、オーストラリアの十二支100ドル金貨で、2000年発行もので状態の良いものに「13万2000円」の価値で買い取られたという実例があります。
古銭は600円程度から100万円以上まで価格幅が広く、種類によって価値が大きく異なるので買取相場の幅も非常に広いです。
メジャーなものや高額買取されるものの買取価格を紹介するので、古銭を売りに出したい方は参考にしてください。
万延大判金 | 200万円 |
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天保小判金 | 11万円~13万円程度 |
文政小判金 | 12万5000円~14万円程度 |
元文小判金 | 13万5000円~15万円程度 |
万延小判金 | 6万5000円~7万5000円程度 |
正徳小判金 | 150万円~180万円程度 |
亨保小判金 | 32万円~38万円程度 |
安政小判金 | 45万円程度 |
天保五両判金 | 100万円程度 |
慶長小判金 | 180万円程度 |
元禄小判金 | 100万円~130万円程度 |
宝永小判金 | 70万円程度 |
大判金には墨書きがあり、この墨の状態が買取価格に影響します。小判金は希少な座人印や献上判には高い価格がつきます。
旧20円金貨 | 450万円~600万円 |
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旧10円金貨 | 40万円~60万円 |
旧5円金貨 | 15万円~25万円 |
旧5円金貨(縮小) | 12万円~18万円 |
旭日竜50銭銀貨 | 1800円 |
稲5銭銅貨 | 100円~300円 |
上記のなかにも、たとえば明治36年の「稲5銭銅貨」には1万5000円の価値がつくことがあるなど、膨大な種類があり、希少性や価値を素人が判断するのは困難です。
同じ年号であっても前期、中期、後期に分かれていたり、種類が異なったりしており、買取価格も変わります。
また、貨幣には「完全未使用品」「極美品」「美品」「並品」という4つのグレードがあり、状態によっては買取価格も大きく変わります。
財務省放出「明治3年旧20円金貨」未使用品 | 650万円 |
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財務省放出「明治3年旧20円金貨」極美品 | 520万円 |
財務省放出「明治3年旧20円金貨」美品A | 310万円 |
財務省放出「明治3年旧20円金貨」極美品 | 1100万円 |
財務省放出「明治4年旧10円金貨」未使用品 | 195万円 |
財務省は2005年秋から2008年まで、保有していた3万枚以上の金貨を公開オークションとインターネットオークションで販売しています。
世界的に「金本位制」だった時代には、日本でも金貨が発行されていました。戦時中に供出された金貨は戦後になってGHQによって接収されて、サンフランシスコ条約で日本に返還されています。
財務省放出金貨は日本貨幣商協同組合の鑑定済スラブケースに収められて取引されています。財務省というブランドも手伝って、非常に高い人気があり、同じ等級の貨幣よりも高値で取引されています。
御在位30年記念1万円金貨 | 13万円 |
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令和元年御即位1万円金貨 | 17万円 |
東京オリンピック1万円金貨 | 12万円 |
東日本大震災復興事業記念1万円金貨幣プルーフ貨幣セット | 10万円 |
2005年日本国債博覧会記念、愛・地球博1万円金貨 | 10万円 |
海外向け貨幣セット、日本万国博覧会100円 | 1万2000円 |
記念硬貨は国家的な事業があったときに発行される貨幣です。オリンピックや万国博覧会で発行されるものが知られていますが、文化遺産や野生生物のシリーズもあります。
記念硬貨も法律上の硬貨と同様に通用額面はありますが、額面よりもはるかに高額な素材が使われていることが多く、額面よりも高くなるケースがあります。
天保通宝 | 200円~350円 |
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宝永通宝 | 600円 |
琉球通宝、半銖 | 7000円 |
秋田鰐銭 | 5000円 |
浅間銭、南蛮人 | 11万円 |
永楽通宝、打製、背銅、金 | 180万円 |
穴銭は文字通り「穴が開いた硬貨」です。古銭としても知られているものが多く、メジャーな存在です。有名な和同開珎も穴銭の一種です。どれもコレクター人気があり、なかには数万円から数十万円の価格がつくものもあります。
絵銭は貨幣の表面に絵が描かれたものです。貨幣として使われたもの以外に、記念品や子供のおもちゃとして使われていた絵銭もあります。様々な絵の種類があるためコレクターも少なくありません。
明治通宝5円 | 25万円 |
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明治通宝10円 | 7万円 |
旧国立銀行券10円 | 500万円 |
旧国立銀行券20円 | 800万円 |
日本銀行兌換券200円 | 400万円 |
対象打感銀行券20円 | 20万円 |
古紙幣は昔の紙幣ですので、当然のことながら紙でできています。そのため、日焼けや破れ、虫食いが多く美品が少ないのが特徴です。現代に近い紙幣が登場するのは明治以降で、破れにくく虫食いにも強くなりました。
実は1円札というのもあり、現代でも通用しますが、古紙幣として買取に出したほうが価値があります。
高額買取を狙いたい方は高値で売れやすい古銭の種類や特徴を理解しておきましょう。
また、高値で買い取ってもらうためには、鑑定書やケースの有無や状態のいい古銭かどうかの確認をしておくことが大切です。
古銭であれば何でも高く買い取ってもらえるとも限りません。コレクターがいて、その人たちに価値があると認めてもらえないと価格はつきませんし、状態が悪いものは価値が下がります。
古銭で高価買取してもらえるものとして、まずは状態が良いことが条件です。汚い状態で保管されている古銭よりも、しっかりとケースに入って保管されている古銭のほうが高い買取価格が出ます。特に記念硬貨などはケース付きで販売されることがほとんどです。そのケースをセットで査定してもらったほうが価値は高まります。
古銭の査定は専門的な知識が必要です。もし鑑定書があれば価値を判断しやすく、「本物」であることが分かりやすいため、鑑定書があれば高く買い取ってもらえる可能性が高まります。
鑑定書のなかでも、最も信頼性が高いのが「日本貨幣商協同組合」の鑑定書です。ここで鑑定してもらったものは、本物であることが保証されます。
鑑定書がないからといって、売れないとも限りません。親や祖父母などから譲り受けた「価値の分からない古銭」でも買取に出せるケースは数多くあります。
一般的な買取品は保存状態がよいほうが高く買い取ってもらえますが、古銭はきれいすぎると買取価格が下がることがあるので注意しましょう。
汚れも歴史を感じるポイントなので、古銭に限っては不自然にキレイなものは価値が下がることがあります。
「今の状態を維持する」ことを心がけ、必要以上に磨いたり拭いたりしないことが重要です。
記念硬貨でも発行枚数が多く、多くの人が持っている硬貨の場合は価値が下がりますし、なかには額面通りの金額しか出ないこともあります。
古銭を買い取っている業者からすると、そういった古銭は買取というよりも「単なる両替」にしかならないことになるので、買い取ってくれないことも多いです。
逆に発行枚数が少ないものは額面以上の価値が出ることが多く、高値で取引されます。
金や銀でできているものや江戸時代の大判小判などは金そのものの価値が高い種類です。
また、発行枚数が少ないものはプレミア的な価値がつきやすく、買取価格も高くなる傾向にあります。
金や銀、プラチナで作られている古銭は額面以上の価値のある可能性があります。これらは素材自体に価値があり、金として高く売れるケースが多いです。
江戸時代の大判小判は希少性が高く、金としての価値もあるので非常に高値で取り引きされます。1,000万円以上で買い取ってもらえることもあり、高額買取が期待できます。
ただし、レプリカ品などの偽物も出回っているため、不安な方は日本貨幣商協同組合に鑑定してもらって本物か確かめるようにしましょう。
昭和64年の硬貨など発行枚数の少ない古銭にも価値があります。昭和64年の硬貨は1月1日から1月7日までの1週間しか発行されていないので、プレミア的な価値が高いです。
非常に高値で取り引きされているわけではありませんが、額面以上の価値を持っています。江戸時代などの古い古銭以外でも、発行枚数が少なければ高額で買取してもらえ可能性があります。
その他、50円玉の穴がズレているものなどエラーコインと呼ばれる「製造過程でミスのあった貨幣」には価値があります。高騰しているというほどではありませんが、多少のプレミア価値で取引されます。
古銭はこれまでに1500万円以上の高値で取引されたことがあり、種類によっては高額で買い取ってもらえます。高価買取された事例にある古銭を持っている方は査定に出すことをおすすめします。
1573年から1609年の間に製造された大判金です。古銭を代表する大判金のひとつで、1500万円から2500万円ほどの価値があります。
明治の金貨のなかでも価値が高いのが、明治10年に製造された旧20円金貨です。この時代の金貨は発行された年によって査定額が変わる傾向がありますが、この年の旧20円金貨は1枚で1000万円から1500万円ほどの価値があります。
天皇陛下が即位されたときに発行された10万円金貨は、額面以上の価値が出ます。金貨でも額面以上の価値はないものが多くありますが、この金貨の場合には15万円から20万円程度の価値がつきます。
和同開珎は日本で最初の貨幣と言われています。52年間作られていたので、意外に数が多いですが、それでも1枚で10万円から20万円ほどの価値があります。
古銭で大切なのは、「キレイである」ことよりも「古銭らしい雰囲気のある現在の状態を維持する」ことです。
酸化や日焼けに気を付けながら、ていねいに取り扱うようにしましょう。
酸化は価値が下がる原因になるので気を付けましょう。なるべく空気や酸素に触れさせないことが重要なので、手元に古銭がある場合はケースに入れて保存するのがおすすめです。
水分もサビやカビの原因になるので、湿気対策も必要です。保存するケースや箱の湿気には充分に気をつけましょう。
状態を確認するときは必ず手袋をして古銭を持ちましょう。素手で触ると手についている汚れが古銭に付着してしまうので、劣化の原因になることがあります。
すでに手で触ってしまっている場合は乾いた布でしっかりと拭き取っておきましょう。拭き取るときも手袋をする必要があります。
古銭の保存には専用のケースやアルバムを使いましょう。何も専門店が販売しているものでなくても構いません。
Amazonや楽天などの通販サイトで販売されているコレクションケースを使えば充分です。
古銭は直射日光が当たると日焼けによって変色してしまうことがあります。変色した古銭は価値が下がってしまい買い取ってもらえないこともあるため、保存するときは必ず直射日光を避けることが大切です。
特に紙幣は日焼けしやすいので、日光のあたらない場所で保管しましょう。
古銭の中には、価値が出ない古銭というものも多くあります。価値が低いのではなく「額面通りの価値にしかならない」というものです。
オリンピック記念硬貨や天皇陛下に関連する記念硬貨は価値が高そうですが、発行枚数が多いので額面以上の価値が出ることは少ないです。
値上がりを期待して多くの人が大量に購入していることもあり価値が低いため、買取業者が引き取ってくれないことも多いです。発行枚数が多くてもかなり古いものや金貨であれば、高値がつくこともあります。
その他で多いのは「少し前に使われていた紙幣」です。たとえば以下のような紙幣はつい最近まで使われており、額面以上の価値は出にくい傾向があります。
これらの古銭は発行枚数が非常に多く、記念として持っている人も多いです。
発行ナンバーがゾロ目などの珍しいものなら逆に高い価値があるので、エラーやゾロ目がないかチェックしておきましょう。
古銭は種類によって価値が大きく変わるジャンルなので、売りに出すときは価値がある種類なのか確認するようにしましょう。
また、酸化や日焼けによって状態が悪くなっていると、買い取ってもらえなかったり買取価格が大幅に下がったりすることがあります。
不要な古銭をできるだけ高値で売りたい方は保存方法に気を配りながら買取業者を探しましょう。